AI が東大二次試験で理三合格レベルに到達
> 東進ハイスクールを運営する株式会社ナガセが2026年2月に実施した調査で、最新の生成AI3種が東京大学二次試験で得点率8割以上を記録し、最難関とされる理科三類の合格水準を突破しました。文系数学では3種すべてが満点を獲得する一方、図形や史料問題には課題も残りました。
最新AIが東大理三合格水準を突破
東進ハイスクール・東進衛星予備校を運営する株式会社ナガセは、2026年2月25日・26日に実施された東京大学二次試験において、最新の生成AI3種を用いた即日解答・検証調査を行いました。検証に用いられたのは、Anthropic社のClaude Opus4.6(2026年2月リリース)、Google社のGemini 3.1pro(2026年2月リリース)、OpenAI社のGPT-5.2(2025年12月リリース)の3種類です。
調査の結果、3種のAIすべてが文理ともに得点率8割以上を記録しました。例年の東大合格最低点は、共通テストと二次試験の合計で6割程度とされており、今回の生成AI3種は合格ラインを大きく超える結果となりました。最も高得点を記録したのはClaude Opus4.6で、得点率は9割に迫る水準に達しています。最難関とされる理科三類(医学部医学科)にも余裕で合格できるレベルであることが判明しました。
特筆すべきは数学(文系)の結果です。3種のAIがすべて満点を獲得し、生成AIの著しい進化を印象づけました。検証した3種の生成AIの合計点を比較すると、文理共にClaude、Gemini、GPTの順となりました。AIの解答時間も圧倒的に早く、日本史・世界史が1~2分と最速、時間のかかる数学も20分かからずに解答しています。
記述力の進化と残された課題
2026年の東大数学は理系で難化傾向にあったものの、生成AIは単に正解を出すのみならず、記述答案における思考の過程を含めて正確に記述できるようになってきていることが明らかになりました。これは、従来のAIが抱えていた「答えは出せても解答プロセスを説明できない」という弱点が克服されつつあることを示しています。
しかし、課題も浮き彫りになりました。図形の読み解きには依然として困難があり、図から情報を読み取って回答する問題に苦戦しました。特に「平面上に図示せよ」という問題では、Claudeが図示する手前の計算式までは到達できたものの、実際に図示することはできませんでした。視覚情報の処理能力には、まだ改善の余地があることが分かります。
東大日本史では、史料を読んだうえでその時代等に関する記述を行う問題が出題されます。回答の際には、出題者が求める日本史用語等への書き換えが必要になりますが、生成AIは具体的な史料に影響されるのか、ただの要約に終始してしまう傾向が見られました。これは、問題の意図を深く理解し、求められている形式で解答する能力がまだ十分ではないことを示しています。受験という文脈での「適切な表現」を選ぶ判断力は、人間特有の強みとして残されている領域と言えるでしょう。
教育現場への影響と今後の展望
今回の調査結果は、教育現場に大きな示唆を与えます。AIが東大レベルの問題を高得点で解けるようになったことは、知識の暗記や定型的な問題解決能力だけでは、もはや人間の優位性を保てない時代が到来したことを意味します。しかし同時に、図形の視覚的理解や史料の文脈に応じた表現の選択など、AIがまだ苦手とする領域も明確になりました。
東進を運営する株式会社ナガセでは、AIを用いた教育コンテンツを開発する専門部署を設置し、常に最新かつ最高品質のAI教育コンテンツを提供しています。生成AIは日進月歩で進化を続けているため、AI教育コンテンツも一度開発すれば終わりではなく、日々アップデートしていく必要があります。同社は、毎年10万人以上の生徒が通う東進で蓄積された200億件超の学習データと、約45万問の入試問題データベースを活用し、今回の検証結果を詳細に分析してコンテンツ開発に生かしていくとしています。
これからの教育現場では、AIと共存しながら、AIでは代替できない能力を育てることが求められます。具体的には、複雑な視覚情報を統合的に理解する力、文脈を深く読み取り適切な表現を選ぶ力、そして何より「なぜそう考えるのか」を問い続ける思考力です。先生方には、生徒がこれらの能力を伸ばせるよう、AIを道具として活用しながら、人間ならではの学びを深める授業設計が期待されます。
💡 先生へのポイント
AIが東大入試で高得点を取れる時代になりましたが、図形の視覚的理解や史料読解での適切な表現選択など、AIが苦手とする分野も明確になりました。これは、知識の暗記だけでなく、複雑な情報を統合して判断する力や、文脈に応じて表現を選ぶ力の重要性が増していることを示しています。授業では、AIを補助ツールとして活用しながら、生徒が深く考え、自分の言葉で表現する機会を増やすことが大切です。AIができることとできないことを理解させ、人間ならではの思考力を育てる指導を心がけましょう。
まとめ
東進の調査で、最新の生成AI3種が2026年東大二次試験で得点率8割以上を記録し、理三合格レベルに到達しました。文系数学は3種すべてが満点でしたが、図形問題や史料読解での表現選択には課題が残りました。AIが高度な問題を解ける時代だからこそ、視覚情報の統合や文脈理解など、人間ならではの能力を育てる教育の重要性が高まっています。
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出典: 共同通信PRワイヤー - https://kyodonewsprwire.jp/release/202603034931



