東京工科大の新入生調査で、生成AIの利用率が9割超、ChatGPTは80.8%と高い水準でした。10代の学生たちにとって、AI活用が“特別なもの”ではなく日常の学習環境になっている実態が見えてきます。
生成AIは「使う人が一部」ではない時代に
東京工科大学(東京都⼋王⼦市)が2026年度新入生1,682人を対象に実施した調査では、いずれかの生成AIを利用している人が9割以上に達しました。初回調査ながら、AIはすでに大学新入生の標準的なツールとして定着しつつあることがうかがえます。
特に目立ったのは、ChatGPTの利用率が80.8%と突出して高かった点です。次いでGeminiが38.8%で続き、他の生成AIとの差は大きく開いていました。学習現場でも、レポートの下調べ、英語表現の確認、要約のたたき台づくりなど、まずChatGPTを試す流れが広がっていると考えられます。
学習や進路準備での使い方をどう整えるか
調査では、ChatGPTは女子の利用率が男子より高く、Geminiなど他の生成AIでは男子がやや高い傾向も見られました。つまり、AI活用は「全員が同じ使い方をする」段階ではなく、目的や相性によって選ばれる段階に入っています。
中高生にとっては、AIを使えるかどうかよりも、どう使うかが重要です。たとえば、
- 解き方のヒントをもらう
- 英作文の表現を複数案で比較する
- 面接練習の質問役にする
- 調べ学習の論点整理に使う
といった使い方は、学習の効率化につながります。一方で、答えをそのまま写すと理解が浅くなるため、最終確認は自分で行う姿勢が欠かせません。
保護者・教員が押さえたい「AI利用の前提」
今回の調査は大学新入生が対象ですが、結果は中高生世代にも十分示唆があります。すでに多くの若者がAIを使っている以上、学校や家庭では「禁止か推奨か」だけでなく、安全に、学びにつながる形で使うルール設計が必要です。
たとえば教員は、課題の出し方を「AIで下調べしたうえで自分の考えを書く」形式にする、引用や根拠の確認をセットにするなど、AI前提の学習設計を考えやすくなります。保護者は、AIを“ズル”と決めつけるのではなく、どんな場面で使っているかを一緒に確認することで、学習習慣の質を見守れます。
SNSや連絡手段の変化も学び方の変化へ
同調査では、SNSではLINEが99.1%でトップ、Instagramが86.0%、Xが77.0%でした。連絡手段でもLINEに次いでInstagramのDMが55.1%まで広がっています。つまり、若者の情報接触やコミュニケーションは、複数のツールを使い分ける形が当たり前になっています。
こうした環境では、AIも「特別な最先端技術」というより、SNSや動画配信サービスと同じく、日常の学習・生活インフラの一つとして扱う視点が大切です。
💡 先生へのポイント
- AI利用はすでに一部の生徒だけの話ではなく、前提として授業設計を考える段階
- 課題は「答え」より「考え方・根拠・比較」を重視するとAI活用と相性がよい
- 生成AIの使い方を、検索・要約・英文添削・面接練習など具体場面で教えると定着しやすい
- 学校ルールは「禁止」だけでなく、利用可否・記録・引用の扱いを明確にする
まとめ
東京工科大学の調査から、生成AIは大学新入生の間で急速に日常化しており、特にChatGPTの存在感が非常に大きいことが分かりました。中高生やその保護者、教員にとっても、AIを遠ざけるのではなく、学びを深める道具としてどう使うか、を改めて考えることが重要ではないでしょうか。
出典:新入生の「コミュニケーションツール」利用調査を発表 | 学校法人片柳学園のプレスリリース https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000021.000168477.html




