日本OECD共同研究実行委員会が、教育とAI、教科横断、次期学習指導要領をテーマにした3日間のイベントを今年8月に開催します。教員にとっては、実社会と教科をつなぐ授業設計や、AI活用の最新知見を体験的に学べる機会です。
3日間で「未来の教育」を共創する場
日本OECD共同研究実行委員会は、一般社団法人教育AI活用協会との共同主催で、2026年8月7日から9日にかけて「2040年をデザインする夏FES(Future of Education and Skills)2026」を開催します。8月7日は衆議院第一議員会館、8月8日・9日は港区立産業振興センターが会場で、一部ハイブリッドでも実施されます。
イベントの軸にあるのは、「学校は社会の縮図ではなく、社会の未来図」という考え方です。生徒・学生、教員、研究者、行政、企業、保護者などが立場を越えて集まり、大人も子どもも一緒に「主体的・対話的で深い学び」を体験する設計になっています。
教科の学びを実社会に引き戻すプログラム
今回の特徴の一つが、「未来のWhat ifに備える」というテーマです。単に未来を予測するのではなく、想定外に備え、考え、判断し、行動する力をどう育てるかが問われます。
2日目のプログラムでは、AEDによる人命救助、ホルムズ海峡の危機とポテトチップスの関係、詐欺や闇バイトから身を守る方法といった、身近で切実な題材を扱います。これらを社会科や数学、理科、国語など複数の「教科のメガネ」で見直すことで、教科横断的な学びや、日常と教科の往還を体験できる構成です。
授業づくりの観点では、「見方・考え方」「中核概念」「余白」「自由裁量」といった、次期学習指導要領の議論にもつながる論点が含まれています。教科内容をただ教えるのではなく、現実社会の課題に接続しながら学びを再構成するヒントが得られそうです。
教育とAIの最新動向をハンズオンで共有
2日目の8日には、東京大学の吉田塁氏による「教育とAI」世界の知見共有シリーズの最終回が予定されています。注目点は、OECDが各国と実証実験を進めているAIカリキュラム分析ツールのハンズオンです。
発表によると、日本OECD共同研究では、教員をAIツールの単なる利用者ではなく、作り手・創造者として位置づけ、教員とエンジニアがプロトタイプを共創中とのことです。学校現場でAIをどう使うかという段階から一歩進み、教育実践に即したツール開発に教員が関わるモデルとして注目されます。
AI導入をめぐっては、効率化だけでなく、カリキュラム設計や評価、教材研究にどう生かすかが重要です。本イベントは、その可能性を現場・研究・政策の接点で考える機会になりそうです。
政策・研究・現場をつなぐ対話にも注目
前夜祭では、教育AIサミットとのコラボ企画として、生徒、教員、研究者、政策関係者らによる対話が予定されています。さらに2日目には、文部科学省の担当者による「深い学び」や調整授業時数制度を中心とした次期学習指導要領の検討状況に関するセッションも組まれています。
教育イベントは実践紹介に偏りがちですが、今回は政策、研究、現場、生徒の声が同じ場に置かれている点が特徴です。学校管理職や自治体担当者にとっても、制度改訂の方向性と現場実践を往復しながら考える材料になるでしょう。
💡 先生へのポイント
- 実社会のニュースを教科で読み替える授業づくりのヒントが多い
- AI活用を「使う」だけでなく「共創する」視点で捉え直せる
- 次期学習指導要領を、理念ではなく具体的な体験と結びつけて考えられる
- 生徒と大人が同じ場で学ぶ設計は、探究や対話型学習の参考になる
まとめ
今回の「夏FES 2026」は、教育の未来を語るだけでなく、教科横断の実践、AI活用、政策対話を体験ベースでつなぐイベントです。2040年を見据えた授業づくりや学校づくりを考える教員・管理職・EdTech関係者にとって、現場実装の視点を得やすい場といえます。
出典:日本OECD共同研究「2040年をデザインする夏FES(Future of Education and Skills)2026」を8月に開催! | 日本OECD共同研究 実行委員会のプレスリリース https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000176056.html




